進路はひとりで決めた。
この高校に決めた理由は、家から近いし、それにレベルが低い。
頭が悪いわたしにとっては、最高の高校だ。
…最高なんだけど……
はぁ…。
席替えなんて、この世から消えちゃえばいいのに。
あたしの人生の中にくじ運を全て使ってでも、廊下側の席に!!
あたしは手を固く結んでいた。
「美心?苦しい?大丈夫?」
クラスで一番仲のいい菜樹ちゃんの心配そうな声を訊いて、ハッと我に返った。
「え?…だ、大丈夫。大丈夫!!なんか緊張しちゃって…」
「あはは!!緊張してるの?」
「うん。…ちょっとね」
菜樹ちゃんは明るくて美人でやさしくて…あたしの理想の人。
あたしがクラスに馴染めなくて、困っていた時に菜樹ちゃんが声をかけてくれた。
菜樹ちゃんはちゃんと恋してるし…いいなぁ
「美心?クジ引かないの?」
「あ…うん」
ヤバ…めっちゃ緊張してる…
お願い!!神様、どうか一人の席を…!!
そして、あたしはクジを引いた。