「…………離して」 「お、おう…。ご…ごめん」 そう言って山口はパッとあたしから離れた。 山口のぬくもりが、消えた。 ありがとう。 こんなあたしを、見ていてくれて。 あたしのことを、心配してくれて。 …好き。 “好き”って気持ちが、どんどん溢れてく。 もう、止められない。 …好き。 好き。 「―好き」