隣のキミ







橘くんが不意につぶやいた。


「…美心の……」


「え?」


「美心の、病室って…」


「…102号室……」



「…レン、よろしくな」


「おう」






橘くんは、走って行った。

美心のところに。



あたしは小さくなる橘くんの背中に


「美心をよろしく」


と小さく呟いた。