そう言った達樹の顔は、なんだか大人びて見えた。 何かを、決意したような。 達樹は、あたしの方を見て 「俺が、ぜんぶ話すけど、いい?」と言った。 あたしは、ゆっくりうなずいた。 達樹はゆっくり、あたしが話したこと全部、菜樹ちゃんに話した。 菜樹ちゃんは、その話を泣きながら、肩を震わせて聴いていた。 あたしはただ、その2人をボーっと眺めていた。 よかった。 達樹に全部話してもらえて。 あたしはきっとあんな残酷なことを、菜樹ちゃんには話せない。