教室へ戻ると、菜樹ちゃんが笑顔であたしを迎えてくれた。 「美心ー?どうした?」 「え?ど、どうもしないよ?」 あたし、なんか変だったかな? 「そう?なんかあったらいいなよ?」 「うん。ありがと」 言えない。 これだけは、本当に。 菜樹ちゃんだけは、絶対に傷つけては、いけない。 あたしが我慢すれば、丸く納まるんだから。