隣のキミ





「――!?」



メイク直しをしていた唯香たちは目を丸くし、こちらに振り返った。


だが、唯香だけはすぐに、冷静な顔に戻った。



「やだ、美心。盗み聞きー?」

そう言ってまた、メイク直しを始める唯香。


「…やっぱり、あんた達だったんだ。靴…。」


やばい。

声、震えてる…。


「そうよ。…でもね、あんたらが悪いのよ。ハルくんの隣の席になったからって、調子のってさー」



目が熱くなる。


心が冷めていく。


「菜樹なんて、ちょっと可愛いからって…」


「――菜樹ちゃんは関係ない!」


鏡ごしに、唯香の驚いた顔が見えた。




「…あんた、何言ってんの?」


初めて聞いた唯香の声。



まるで、感情がない様な声。


一瞬ひるみそうになったが、



『―――心配させてよ!』




と、あたしに言ってくれた菜樹ちゃんの顔が浮かんだ。