「あ…の」

あたしは沈黙が辛くて口を開いた。




「…なに」


「腕…を」


「ああ」


そう言って彼は、パッとあたしの腕を掴んでいた手を離した。



あたしは異性に腕なんて、触られたことなんかなくて。





めちゃくちゃ緊張してたのに。



この人は「ああ」なんて軽く言って、まったく!



なんなの!!



緊張して損したわ!