ロイが前を見つめ、口を紡ぐ。
キースは構わず話を続けた。
「そこからでした。ジェームズ様の様子がおかしくなったのは」
「父様がおかしくなった?」
「はい。滅多に人前に出なくなりました。部屋に引きこもる事が多くなり……私もどうにかしようと試みましたが、全て失敗に終わりました」
「そうか……」
言われてみれば、最近父親の姿を見ていない気がする。
だからこそ、今日の晴れ舞台は見てもらいたかった。
それなのに、今日の事が原因で引きこもっていたとは。
「何て事だ……」
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