血生臭かった部屋も、今はすっかりと元の綺麗な状態に戻っている。
華やかな音楽を奏でる音楽隊の中に、ルーベルトの姿もあった。
額縁の中にいながらも、彼は一際素晴らしいヴァイオリンの音色を響かせていた。

広間で踊る人は多種多様だ。
中には人ならざる者も混じっている。

あんなことがあったのに、非難を浴びせられていないことが正直奇跡に近い。
廊下で絵画と談笑している人や、鎧と剣を交えている人を見ると不思議な気持ちになる。

『悪魔の子がいるからこそ、私達は楽しめるのです』

以前、ルーベルトがそんな事を言っていた。

広間の隅に佇み、辺りを見回す。