「それでも、悪い人ではありません。ただ、わたしたちと遊びたいだけ。
彼等が遊べるのは今夜だけなのです」

上手く言葉が纏まらない。
綺麗な言葉で納得させる必要はない。
とにかく、自分の言葉で全てを伝えるのに必死だった。

「彼等も元はと言えばわたし達と同じ人間でした。それなのに、どうして妨げられなければいけないのですか?」

緊迫した空気が徐々に変わってくる。
彼女の話を真剣に聞きながら、何か思うことがあるようだ。

「今夜だけなのです。一年に一度くらい、幽霊と人間が手を取り合ってもいいと思いませんか?」