「キャッ!?」
男が私に殴りかかってきたのと同時に私は背中に温もりを感じた。
「え…」
上を見上げると、鈴木 洸がいた。
「だ、だれだよ!!!!」
ナンパ男が叫ぶ。
「あ?殴られたいか?…俺の顔知ってる??」
鈴木 洸が冷たく低い声を出す。
「は?知るわけ……お前…」
途端にナンパ男の顔が青ざめた。
「今すぐ消えろ。そしたら許してやるよ」
「ひぃ。すいませんでした」
鈴木 洸の一言でナンパ男は走りさってしまった。
「あの。ありがとう」
「おう」
「あ、さっきの人知り合いなの?」
「いや全く」
え、でもさっきの人鈴木洸の事見て逃げたよね?
「ふっ…。お前考えてる事顔にでるな。俺の顔知ってるやつなんか、珍しくないから」
……ナルシスト…??なのか。まぁ無視しておこう。
「とりあえず助けてくれてありがとう!」
笑顔で言った。すると鈴木洸は少し赤くなりながら「おう」と薄くはにかんだ。
「あ、俺の事洸って呼んでいいから。じゃあな亜美」
「え、あ、バイバイ洸」
今思ったらこの時から洸の事意識し始めてたのかも知れない。

