頭の中が、ボーッとしてなにも考えられなくなる。 数秒後に唇が離れた。 「……っじゃあな亜美」 「…うん!」 奏君と別れ、家に入る。 その途端、にやけがとまらない。 「へへ…っ」 親からは、「なに、にやけてんの?気持ち悪い」と言われても、この気持ちを顔に出さずにはいられない。 この時はきっと、あんな別れがくるなんて思ってもいなかった。