10分後。

奏君は来た。
「よし。そろそろ帰ろっか」

もっと一緒に居たい。そう思ったけど時間も時間だったから家に帰る事にした。


奏君は私の家まで送っていってくれた。


「奏君ありがとう!!また明日ね!」

「おう!…あ。これ…はい!」

奏君が手をグーにして、何かを差し出した。

「手出して。」

「え、うん」

そして、私の手にイルカのストラップが乗せられた。

「え?これ…」

「欲しかったんでしょ??…しかも」

そういいながから、ポケットから私にくれたイルカのストラップの別色の物を出した。

「俺とお揃い」

「え?ごめん!!」

「なんでごめんなの??」

「…ありがとう奏君!!」

この時多分私は最高の笑顔だったと思う。


「亜美。俺亜美の事凄い好き。だから…なにがあっても俺の事…」

そこで奏君は言葉をつまらせた。

「……俺の事…?」

続きが気になって、問いかけてみる。


「……なんでもねぇー」

少し顔を歪めながら、奏君がつぶやいた。

その後、私の頭に手をもっていき、髪の毛をくしゃっと撫でた。

「もーー!くちゃくちゃになっちゃった」
「ははっ。…亜美」

視線が重なり、沈黙が続く。
そして、ゆっくりと奏君の顔が近づいてきた。

「「……………………」」

自然と私は目を閉じた。
それと同時に、奏君と私の唇が重なる。