「んっっっ!!ふぁーーー。」
眠い目をこすりながら、学校に向かう。

「あーーみ!!おはよっっ!」

後ろから元気にかけてくる女の子は、中学からの親友の紗来だった。

「紗来。朝から元気だね」

「そりゃあ、そーだよ!なんたって今日から高校生!!!イケメンとの出会いの季節だよ」

「……あっそ」

「もー亜美!あんた美人なのに、冷めてるってゆうか…なんてゆうか…」

そんな話をしながら、私達が通う高校に向う。

もうすでに、新入生が集まっていてまず私達はクラス表を見に行った。

「亜美!!同じクラス!!やったぁ!」

「紗来、よろしくね!」

私達のクラスは、1年3組。

ガラッ。
クラスの扉を開けると、それまでクラスにいた人の視線が一斉に向けられる。

その視線を無視し、自分の席に座る。

「うわーーん!亜美と席遠いよー!!」

「そりゃーね」

席は、あいうえお順で並んでいて、東海と、紗来の苗字の佐藤では近いはずがない。

「俺、真樹!宜しく!お前の名前は??」

声のする方に顔を向けると、隣の席に顔の整った男の子が座っていた。

「…東海亜美…です」

「亜美ちゃんか!美人だよねー」

…なにこの男。馴れ馴れしい…

「どーも。宜しく」

「真樹。どけ。そこ俺の席」

「あ、洸!!おはよう。また同クラ!!宜しくな」
「分かったからどけ。」

洸の第一印象は、怖そうな人。
この時はまだ、この人に恋するなんて思いもしなかった。」