仁、行っちゃった…。
彼女がいなかったらいいのに…。
ほら、海外旅行中とか。
ないか…。
部屋でベットに寝転がっていると、鞄の中で携帯が鳴り出した。
えっとー…、誠司。
「もしもし?」
「出るのおせーよ。
何してたんだよ?」
「さっきまで出掛けてたの!
それより、何?」
「ああ。
明日って何か用事ある?」
明日…。
仁が帰って来てたら、仁の部屋に行くけど。
無理だよね。
大阪から東京ってすぐ帰って来れる距離じゃないもん。
「由奈?」
「明日何があるの?」
「卒業前に仲いい奴だけでプチ打ち上げしようぜって。
由奈来れる?」
「行ける。」
仁がいないとすることないもん。
「良かった。
10時に駅だから。
遅れんなよ。」
「誠司のほうこそ、遅れないでよ。」
「俺は大丈夫だっつーの。
じゃあ、また明日な。」
「うん、ばいばい。」
.

