ブラックコーヒー




お湯が沸いて注いでいると、仁が戻って来た。


「仁、出来…。」


帰って来た仁の手には大きな花束。


「卒業おめでと。」


「あ、ありがとう。」


綺麗…。


「由奈に告白されてからもう2年か。
早いな。」


「うん。」


あの時は仁にたまには遊ぼうって言われて、絶対無理って思ってた。


「分からんもんやな。
あの時は何とも思ってへんかったのに。」


でも、今では毎日会って。

毎日話して。


「いつの間にか好きになってもとう。」


いつの間にかもっと好きになってる。

もう会わないって決めたのに、今だって会っちゃってるし。

仁が会ってくれるなら、私は会いたい。

望みがなくても、会いたい。


「由奈のこと、めっちゃ好きや。」


私も仁のこと、すっごく好き。


.