お湯が沸いて注いでいると、仁が戻って来た。
「仁、出来…。」
帰って来た仁の手には大きな花束。
「卒業おめでと。」
「あ、ありがとう。」
綺麗…。
「由奈に告白されてからもう2年か。
早いな。」
「うん。」
あの時は仁にたまには遊ぼうって言われて、絶対無理って思ってた。
「分からんもんやな。
あの時は何とも思ってへんかったのに。」
でも、今では毎日会って。
毎日話して。
「いつの間にか好きになってもとう。」
いつの間にかもっと好きになってる。
もう会わないって決めたのに、今だって会っちゃってるし。
仁が会ってくれるなら、私は会いたい。
望みがなくても、会いたい。
「由奈のこと、めっちゃ好きや。」
私も仁のこと、すっごく好き。
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