ブラックコーヒー




「私は仁のお手伝いさんじゃないんだからね!」


「は?
何言うとんや。
誰もそんなこと一言も言うてへん。」


「じゃあ…、何?」


仁が言いたいこと全く分からない。


「はぁー…、阿呆。」


阿呆って。

阿呆で終わらせないでよ!


結局、仁が何も説明してくれないまま、仁の部屋に着いた。


「とりあえず、コーヒー作ってや。」


「お手伝いさんじゃない。」


「誰もそんなこと言うてへんやろ。
由奈の作ったコーヒーが飲みたいねん。
ええから、はよ作れ。」


もう。

上手いこと言っちゃって。


「分かったよ。」


「ちょっと作りよってや。
すぐ帰って来るから。」


「え、仁?」


また?

また、どこか行って、帰って来てくれないの?


「仁っ!」


「車に忘れ物したから取って来るだけや。
せやから、はよコーヒー作り。」


「うん…。」


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