ブラックコーヒー




「振ってへんわ。」


え?

目の前には仁がいて…。


「はよ行くで。」


なぜか車に乗せられてる。


「由奈、あいつと付き合ってるんか?」


あいつ?

え?


「誠司のこと?」


「知らん。」


知らんって…。


「この間、一緒にお好み焼き食いに行っとった奴や。」


やっぱり誠司じゃん。


「誠司とは付き合ってないよ。」


「手繋いどったのにか?」


「あれは…。
私がゆっくり歩いてて、誠司とはぐれそうだったから。」


て、あれ?


「仁、なんで知ってるの?」


あの日、仁は大阪にいたはず。

仁がなんでそのことを知ってるの?


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