ブラックコーヒー




「俺、そんなに頼りない?」


「ううん。
頼りあるよ。
気付いてくれたのも誠司だけだしね。」


「それなら。」


「だから、駄目なの。
私も誠司が好きだから、迷惑掛けたくないの。」


「迷惑じゃねぇって。」


「迷惑だよ。
私、誠司より仁が好きだもん。
振られても、好きなの。」


諦めたとしても、私は仁が好き。

それは当分変わらない。

一生変わらないかもしれないけど。


「そっか。」


「うん、ごめんね。」


「いい。
なんとなく分かってたから。
でも、ダセー。
卒業式の日に振られるとか。」


「ひどい。
私も卒業式の日に仁に振られたもん。」


「まじで?」


「うん。
それも同じ場所。」


「うわー。
最悪じゃん。」


そうでもないよ。

私は振られたけど、最悪って思わなかった。

これからも仁と会える。

そう思うと、嬉しくなった。


「誠司。
これからもたまには遊ぼうね?」


「おう。」


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