ブラックコーヒー




「うまかっただろ?」


「うんっ♪」


「良かった。
もうすぐみんな来るって。」


「うん。」


今日は仁に会えないな…。

会いたかった…。


「由奈、行こ。」


「あ、うん。」


どうしたんだろ、急に。

誠司は何も喋ってくれなくて、静かなまま駅に戻って来た。

あ、みんな来てる。


「由奈。」


「何?」


「…まだ、新木先輩が好き?」


え…。


「俺じゃ駄目かな?
新木先輩の代わり。」


「誠、司?」


「俺…、由奈が好き。
ずっと好きだった。
だから…。」


「誠司ーっ!由奈ーっ!」


誠司の言葉は私達を呼ぶ声で止まってしまった。

でも、続きは…分かる。


「行こっか。」


「うん…。」


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