「あたし、怖いんだ。嫌われるのが。だから、嫌われる前に嫌えばいいって思った。小学校一年生の頃、たくさん友達がいてたのしかった。でも実際は、みんな、あたしの容姿しか見てなかった。そう言われたんだ。小学校5年生の時。みんな男の子に近くに来てほしいから、あたしの周りにいるんだって。あたしの家がお金持ちだからみんなまわりによるんだって。確かに、お母さんのおかげでお金持ちって言われてたけどあたしはそこに生まれただけ。結局あたしの肩書きしか見られてないって思ってらとてつもなく、悲しくなって。親戚だって公佳しか見てなかった。それが嫌で、いつからかはわかんないけど


人を避けてた。」



一気に言いたいことを自分の口で言った。

あたしは、そういって、口を閉じた。

「今まで無視したり酷いこと言った過去は消せないけど、謝りたくて。」

いつの間にかあたしの目からは涙が出ていた。

「こっちこそごめんね。」

クラス委員長があたしの背中をさすってくれた。

「私、向坂さんが私たちを馬鹿にしてるって思ってた。今、向坂さんの本当に思ってること伝えてくれてうれしいよ?」

「向坂さん、柊花って呼んでいい?」


「へ?」

女子たちが次々にあたしの周りにくる。

「よく考えたら、柊花が男子にもてるのって、柊花のせいじゃなくない?」

「そーだよね。柊花、呼び出しとかされてない?前、白河くんフッタって噂もあるし。」

白河翔希、ふったわ。

柊羽の時に。

「柊花が謝るなら、私のほうが謝らなくちゃね。」