教科書を縦に綺麗に整列して、机の左端の手前に置くと由美子はこちらを向いて肩を下ろしたように見えた。
「そうでもないよ。
私は中学のときからたまたま人より少しだけソフトボールが上手いだけで、『もう、これしかない』って感じだもの。
ある意味で、与えられたものをやっているだけ。
だから、私にとっては由香が一生懸命になるものを探し、悩んでいるということが少しだけ羨ましい」
そういうものなのだろうか・・・
たまたま、高校では一生懸命にうなるものが最初に決まっていたというだけで、それを中学時代に『見つけた』ということになるのではないか。
彼女にとってソフトボールが『見つけた』ものであり、私にとって探しているものだと思うのだが、それでも私のほうが羨ましいという言うのだから、もう何が何だか分からなくなってきてしまう。
始業のベルが鳴り、慌ただしくみんなが授業の準備をする流れに逆らわずに私も自分の席へと戻った。
最後に少しだけ由美子が寂しそうにみえたが、すぐに隣の席の娘と笑い合っている様子を見ると、私の気のせいだったのだろう。
「そうでもないよ。
私は中学のときからたまたま人より少しだけソフトボールが上手いだけで、『もう、これしかない』って感じだもの。
ある意味で、与えられたものをやっているだけ。
だから、私にとっては由香が一生懸命になるものを探し、悩んでいるということが少しだけ羨ましい」
そういうものなのだろうか・・・
たまたま、高校では一生懸命にうなるものが最初に決まっていたというだけで、それを中学時代に『見つけた』ということになるのではないか。
彼女にとってソフトボールが『見つけた』ものであり、私にとって探しているものだと思うのだが、それでも私のほうが羨ましいという言うのだから、もう何が何だか分からなくなってきてしまう。
始業のベルが鳴り、慌ただしくみんなが授業の準備をする流れに逆らわずに私も自分の席へと戻った。
最後に少しだけ由美子が寂しそうにみえたが、すぐに隣の席の娘と笑い合っている様子を見ると、私の気のせいだったのだろう。



