唇をきゅっと噛み締め、できるだけ真剣な眼差しを向ける。


「この高校で過ごす三年間で、私は一体何をすればいいのかな。

何をしたいのかなって、入学したときからずっと・・・」


言いながら、私はふと思った。

私が入学してから考えていることは、果たして本当にそれだけなのだろうか。

その一つのことだけのために、私はここまで悩んでいるのだろうか。



真剣な眼差しが、その悩みから虚ろになりつつ、その先も由美子から天井や黒板と変えていった。


「それだけ・・・

だと思う。

まだ、何かを考えていそうだけど、とりあえずは自分で認識できることはこのことだけ」


結局、真剣に話し始めたというのに、後頭部を右手で掻きながら適当みたいになってしまった。