「あたし道に迷ってて、……それで偶然、森の奥に、おもちゃみたいな教会を見つけたの……。古い木の扉を開けると、すごく素敵なステンドガラスがあったの……」 遠い記憶の中。 いつまでも色あせない、色鮮やかで優しくて、そして甘美なあの思い出の教会。 「今でもね、時々夢に見るんだ。あの頃のこと……。 でも不思議だよね、どんなに大切でも、記憶はどんどん薄れてって。今では時々懐かしい夢として思い出すくらい」 それでも、大切な、大切なあたしの一部。