シュガー&スパイス




「え? 俺やだ」

「なんでよ、だったらなんで遊園地なんか連れてきたの?」

「……」

「ほら、乗ろ! せっかく来たんだし、全部制覇しよ」




そう言ったあたしを見て、千秋は「ぶっ」と吹き出した。




「な、なによ……だってそうでしょ?」

「ハイハイ。 おっしゃる通りです、お姫様」






……な、……お姫様……?


かあっと、頬が火照る。
子供っぽいと思われたかな……。


思った以上にはしゃいでる自分が、急に恥ずかしくなった。




それは、千秋のあたしを見るその瞳に
“ぬくもり”を感じてしまったからだろうか。



「……」




胸の奥が少しだけジンと熱くなった。