シュガー&スパイス


千秋によって、あっという間に下着姿になってしまった。


……慣れてる……。

頬、顎、耳たぶ、首筋、鎖骨……。
止まないキスの雨を受けながら、その手は太腿へ伸びスルスルとブラのホックヘとたどり着いた。

はッ!
もうそこ?

慌てて顔を上げて、千秋の手を掴んだ。


「あッ、じ……自分で……きゃ!」

「ダーメ」


そう言って、クルッとうつ伏せにさせられてしまった。

えっ


「俺にさせて」

「ひゃっ」


うなじから背中にかけてキスをされて、体がビクリと仰け反った。


……プチ
小さな音がして、一気に締め付けられていた胸が解放された。


ああ~、もう。
慣れてるよお……あたしばっかり……。

あたしばっかり、必死だよぉ~……


「菜帆、こっち向いて」

「やだ」


柔軟剤とシャンプーの香りのする枕に、ボフッと顔を埋めた。


華奢なその指が、背中を這う。
くすぐったいような電流が体を突き抜ける。


「……っ、んっ」


思わず声が漏れる。
枕があってよかった。

でも。
案の定、千秋の笑う気配がして耳元に甘ったるい吐息を感じた。