いつもいつも、優しい英司。
キスも、本当に優しくて、甘ったるくて。
背中がジンってどんどん熱くなってく。
あ……もう、無理……。
ここで、このまま……して欲しい……。
だけど、英司はトロンとしたあたしを見て、そっと唇を離した。
え……?
呆気なく離れた英司に、『もっと』って視線を送る。
だけど、英司は口の端を上げてニコリと笑うと乱れたあたしのシャツに手を伸ばす。
ドキン
「ぇ……英司?」
「……」
そっと直された胸元のボタン。
そして。
――……『28階です』
機械的な音声と共に静かに扉が開く。
呆然としたまま、その先を眺めていると扉の向こう側から上司の吉田部長が姿を現した。