シュガー&スパイス




突き抜けるような青い空。

どこまでものびる真っ白な入道雲。


永遠に続いていそうな水平線。


太陽の日差しを受けて
キラキラと光るそれはまるで夢の中みたいに幻想的だ。









結局、友里香さんに半ば強引に連れてこられ、あたし達は今海の上。

真っ白なクルーザーの上にいる。


驚いた事に、これを操縦してるのは英司だ。

真っ白なシャツを海風にはためさせて、真っ黒なサングラスをした英司は、もうどこからどう見ても友里香さんと同じ、セレブ。


似合う……。
英司、それ似合いすぎ。



……でも。
今のあたしには、感傷的にそれを楽しむ余裕はない。



「うっ、気持ち悪……」







フラフラしながらなんとか掴まった真っ白な手すり。
そこから身を乗り出した。

覗き込んだ先に見えるのは、水しぶきを上げる波。



どこまで行くのぉ~

もう無理なんですけどぉ~


吐く……。