お昼時。
会社を出ると、梅雨の晴れ間の太陽が、あたしたちをジリジリ照らした。
「暑いー……」
「社内寒すぎだよ。あたし冷房嫌い」
そう言って涼しそうな顔をして、パッと日傘をさす倫子に思わず苦笑い。
お財布を胸に抱えて、倫子とふたり向かうのは近くのカフェ。
ワンコインでデザートもついて、とってもうれしいランチが食べられるお店は、早く行かないと行列が出来てしまう。
案の定、あたしたちがお店に着いた時には、数人が並んでいた。
「えー、もう?今日は早く切り上げてきたのに」
「でもこのくらいならすぐに入れそうだよ」
うえーとその人形のようなかわいい顔を歪めた倫子。
思ってた通り、数分で席に座れた。
あたしたちはさっそく日替わりランチを注文して、一息ついた。
「はあ……はやく梅雨あけないかなぁ。 髪が広がっちゃって」
言うわりに、きれいにまとまった倫子の黒い髪。
それを眺めながら、あたしはグラスの水を口に運んだ。
「ところで菜帆?」
「ん?」
「菜帆に聞きたかったんだけど」
「うん?」
そこへちょうど、美味しそうなサラダを乗せたプレートが運ばれてきた。
「年下の男の人ってどう思う?」
「……ッぶ」
!?
口に入れたばっかのサラダが、勢いあまって飛び出しそうになった。