「なに、気になんの?」 「え?」 「そんな聞き方すんだもん。 俺の事、気になるって事でしょ?」 …………。 「なっ……何言ってんの、別にそー言うつもりじゃ……」 予想外の距離とからかわれてるって理解して、カッと顔が熱くなる。 瞬間鼻につく香水の香りと、シャンプーの香り。 思わずたじろいでしまう。 「……っはは。 焦りすぎ」 「…………」 グググと押し黙ってしまったあたしを見て、楽しそうに笑うその仕草に合わせて髪がふわりと揺れた。 なんだかわからないけど……。 負けた……。