僕と康太は幼稚園からの幼なじみだった。康太は明るくて、面白くて、いつもみんなの人気者だった。それに比べて僕は康太とは真逆で、友達が一人もいなくて、毎日独りぼっちだった。ある日、そんな僕に康太が話し掛けてくれた。
「翔くん一緒に遊ぼう」
僕はすごく嬉しくて恐らく初めて人前で笑った。
それから僕等は毎日一緒だった。幼稚園が終わってからもどちらかの家で夕方まで遊んでいた。幼稚園を卒園して小学校に上がってからも仲良しだった。
だけど、そんな楽しい日々もずっとは続かなかった…。
あれは僕等が小学校4年生になった頃の事だ。僕と康太は初めて別のクラスになった。
康太は持ち前の明るさですぐにクラスのみんなに溶け込んでいった。それに引き替え僕は相変わらずクラスに馴染めず、友達が出来なかった。康太はそれを気遣って授業の合間や昼休みに僕のクラスに顔を出してくれた。僕は申し訳ないと思いながらも一人になるのが怖くて康太の優しさに甘えてしまった。
まさかそれが原因で康太がクラスで虐められてるとも知らずに…。