検査が終わって病室に戻ると聖也がベッドで眠っていた
「ここは家じゃないっつーの!」
「聖也くんは自由人だよね。結果はまたあとで報告しに来るね。」
「わかりました。」
ベッドに近づき寝顔を眺めた
「ねぇ、聖也。あたしがいなくなったらさみしい?泣いちゃう?」
どうしても考えてしまう
不安で不安でどうしようもないんだ
「あと何回、聖也の寝顔が見れるのかな?あと何回……聖也に会えるのかな?」
「それ以上言ったら怒るぞ。」
切れ長な目に睨まれた
「起きてたの?」
「誰かさんが泣くから起きちまったんだよ。」
言われて気がついた
涙なんていつぶりだろう
最近は泣かなくなっていたのに
ふとした瞬間に、何気ない幸せに、あたりまえの日常に無性に泣きたくなった

