「今年の夏も終わったなぁ~。」


野球の練習中、ベンチでお茶を飲みながら隣でボールの整理をする美鈴に話しかける。


「そうだねぇ~。」


「「・・・・・・・。」」


気まずすぎる。


昨日、俺達の夏は終わった。


甲子園の夢も破れた。


まさか、最後の最後でホームランを打たれるとは考えてもいなかった。


「ねぇ・・・。」


美鈴が、ボールをいじっていた手を止めて俺の方を向いた。


「ん~?」


帽子のつばを後ろにしてかぶりながら、頭の後ろで手を組む。