手足を大袈裟に動かし興奮ぎみに喜ぶ小泉。まあ、悪い気分ではないけどな。

「面白い俺が、今日の結び付きを祝して手品を披露します」

「まだ心とか結び付いてないし、手品とか好きじゃないから見ないよ」

「いいから、いいから!」

手品ネタまで仕込んでやがったか!かなりハイテンションだけどさ、やはり違うんだよ小泉。女子の楽しませかたがさ。

そう思いながらもマジックショーを始める小泉に拍手してしまってる私。また泣かれでもしたら大変困るしな。

小泉の口から次ぎから次ぎに出てくる万国旗。

「はいはい。凄いです」

「だろ!」

彼とは違い、私の口からはため息が出た。

はぁ…。


まあ、ここから先は蛇足なんだけども、この日から七年後、私達は紆余曲折を経て結婚することになる。

そこに至るまでに、やはり何回か小泉を泣かせたけど…。

そんな彼も、今ではベッドの上で全裸になり、詩吟に合わせ楽しく流暢に舞ったりしている。そして私は拍手をするのだった。

こうした彼との新婚生活は結構楽しい。

プッ!私は意外に三国一の幸福者かもしれないな。