「今のは卑怯だ!ノーカウントだ!ハダカになったり、扇を用意してたり」

「でも、俺の勝ちです」

「うっ!そうだけど…」

小泉の顔を見れば、額から大量な汗が流れていた。涙に、鼻水に、汗…どんだけ水分を保有してるんだ君は?

でも、汗をかきながら一生懸命がんばってくれたんだよな。私を楽しませるだけの為に。

どうしようか…。

「先輩、それで判定は?」

「うーん。正式な付き合いじゃなく、お試し期間なんだよね?」

「そうです」

「クリーニングオフは適用されるのか?」

「お試し期間なのにクリーニングオフありなんですか!」

「それが条件」

「それじゃ、お試し期間はOKなんですよね」

「…約束だからね」

「スッゲェー!先輩サンキュー!」

「その“先輩”はよしてくれないか。気持ち萎えるし」

「なら…真由美?」

「なれなれしいわ!目上を立てる呼び方をしなさい」

「どうしたらいいんですか!」

「明日までの宿題!自身で考えなさい」

「明日も会えるんだ!」

「そりゃ、同じ部活だし」