月に降る雨





「…あぁ!笑


俺も よく分かんないんだ けど…、

俺の親父が″ムネオ″って いうの 笑


で、それが超アホでさぁ~ 笑


って言うか、天然?


それが面白くて…

だから学校で よく″ムネオが、ムネオが…″って、

ムネオの話ばっか してたんだよね。


そしたら、いつの間にか俺が

″ムニーさん″に なってたの 笑」




「ははぁ…、

″ムネオ″だから、″ムニー″…」




それに お父様だから、

みんなも気を遣って″さん付け″してる訳なんですね…。


さすがに人様の お父様をムネオ呼ばわり、出来ないもんね…。






―なるほど…―




…あたしは妙に納得した。






「…俺の名前は、そんな感じ!」




明るい、跳ねるような口調で、

蓮…もとい、ムニーさんが言った。






「…あ、あたしは…、″葉月リア″です!


友達からは、普通にリアちゃんとか、

りぃちゃん って呼ばれる事が多いかな…?」




あたしが慌てて自己紹介すると、

ムニーさんは猫みたいな目を細めて ふにゃ って、笑った。






「りぃちゃんね!


よろしくー♪」






―随分 人懐っこい人だな~…―




…って言うか、もしかしたら本人は人懐っこくない かもしれない けれど…、

そう″見える″人だと、思った。