「リアちゃん!」




ぼーっ と考え事を していた あたしの耳に、

みちるくんの声が響いた。




…確かに前に″通ってる″とは言ってたけれど…、

それにしても みちるくんとは、かなりの頻度で遭遇する。






「みちるくん、

…また会いましたね 笑」




「うん。


…リアちゃん、元気だった??」




みちるくんは相変わらず にこにこ しながら、言った。


首を少し傾けて、大きな目で あたしの顔を覗き込む その様子は、

相変わらず女の子みたいで、可愛かった。






「元気ですよー。


みちるくんは…

…そのー…、どっか具合 悪い、とか??」




出来るだけ深刻に ならないように、

何気ない調子で訊いてみた。


それを受けて みちるくんも、

何でも無いように にこにこ笑いながら、言った。






「うん、ちょっとね。


薬が切れたから貰いに来たんだけど、

病院に来た ついでにリアちゃんに会えるかなぁ と 思って、

待ってたんだ」




「…へぇ~。


そうだったんですかぁ…」






………って え?


ちょっと待って…

″待ってた″?


さっき ここに来た時には、みちるくんの姿は見なかったような気がする けれど…、

もしかして あたしが気付かなかっただけで、

みちるくんは声を掛けるタイミングを失ってた…?


だと したら、申し訳なさ過ぎる…。