「嘘じゃない!!!!!嘘だったらどんなに良かったか・・・。」

嘘、じゃない・・・。

「・・・、瑠衣は、瑠衣はどうなってんっだよ!!」

俺は思わず叫んでしまった。

「瑠衣は、親さんの兄夫婦が引き取ってくださったの・・・、もちろん弟くんもね」

そう、だったんだ、俺がいない間に、そんなことが・・・。

弟とは、瑠衣の1個下の弟さんだ。

「それだけじゃないわ・・・。」

え?もっと何かあったのか・・・?

「実は、さ弟くんは軽傷で無事だったんだけど・・・、瑠衣は・・。」

弟は無事だったんだな・・・、良かったけど、瑠衣が、どうしたんだ・・?

「瑠衣が、どうしたんだよ?」

俺がそう聞くと・・・。

「っ!」

え、どうしたんだよ・・・。

「_____なの・・・。」

「ん・・・?何・・?」

最初の部分が小さくて聞こえなかったため聞き返したら

「記憶喪失なの・・・。」

____、は・・・?

だからなんの冗談だよ・・。

聞き間違いだよな・・・?そうだと思いたい。

「記憶が全部真っ白に消えちゃったのっ・・・!」

俺はその言葉にびっくりして顔をあげてみたら・・・。

昔からなにがあっても泣かなかった美優がこんなでもかってほど

すごく、何かを失ったような悔しい表情をして

泣いていたんだ__・・・。


「あたしがっあたしが、傍にいなかったからっ!!」

「お前のせいじゃねぇよ・・・、でも瑠衣今どんな状況だ・・?」

俺が聞くとすごくツライ顔で・・・。

「みんな忘れて新しい鈴木瑠衣になったの・・・、これ以上ツライ思いはさせたくない

教えないでね、絶対、記憶を失うほどショックだったの・・・、だから瑠衣のためにも

言わないでっ!!」

だよな、ツラかったよな、ホント・・・。

「じゃあ、お前の事も・・・?」

「うん、だけど瑠衣には小さい頃からの幼馴染と言ってるわ、未来くんも弟だと言っている

ただ・・・、親さんはいないから・・・、兄夫婦が親さんの代わりに親をやってくれている

未来くんもそれを承知の上に家族として振る舞っている・・・、『お父さん、お母さん』

と呼んでいるわ。」