病院に行く事を凛にメールした方が良いとは思ったのだが、 なぜか その気に なれず、 和は そのまま教室を出た。 病院の場所は分かっていた。 行くべき場所も、分かっていた。 ″317号室の深谷 香澄くん″ …凛が言っていた その病室の番号と名前を、 一度しか聞いていない にも拘わらず、和は なぜか覚えていた。