「……先輩。
……ありがとう……」
和が口を開くと、
″どこ遊びに行こうかー?″と思案していた蓮が、顔を上げた。
「…先輩。
私、行かなくちゃ…。
…また、今度、遊びに行きましょう。
……3人で」
和が そう言うと、蓮は嬉しそうに笑って、
″うん、うん″と頷いた。
和は蓮に向かって手を振ると、
先程 凛を置き去りにして来てしまった方へと歩き出しながら、
鞄から携帯を取り出した。
そして そのまま すぐに電話を掛けると、
数回の呼び出し音の後で、慌てた凛の声がした。
「もしもし和ちゃん!?
ごめんねっ あたし…」
「ううん。
私の方こそ、凛ちゃんの話も聞かないで ごめんね。
今から そっちに行くよ!
どこに居るの??」
凛の話を遮って、和は話した。
…電話に出た瞬間に謝るなんて、
どれほど凛は自分を追い詰めて居たのだろう?
そう考えると、和は蓮の為だけ ではなく、
凛の為にも、
どんな事が あっても、事実を受け入れよう と、覚悟を決めた。
その先に何が待っていた と しても、
事実を受け止めよう と、誓った。

