二人で学校を出て暫く歩いて居ると、
和は貴史の隣に居るのが自分である事が、
とても不思議な気が、した。
しかし それと同時に、
貴史が当たり前のように隣に居てくれる事が、
すごく嬉しかった。
貴史の横顔は何度 見ても綺麗で、
途中 和は懲りずに何度も見惚れては、
ぶつかりそう に なったり、躓きそうに なったり した。
その度に、
貴史は和を引っ張ったり、支えたり して助けながら、
「…見過ぎだから 笑」
と言って、笑った。
そんな事を しながら暫く歩いているうちに、
和は、貴史が歩いている方向を不思議に思った。
自分は地元に住んで居るから、学校へは歩いて来ていて、
方向的には こちらで合っていたのだが、
貴史は電車通学だった筈で…。
しかし貴史が向かっているのが駅ではなく、和の家が ある方だと気付いて、
思わず、期待を抱いてしまった。
「…ねぇ、宗谷くん家の方向って
こっち だったっけ?」
内心では″もしかして、送ってくれるのかな″などと思いながら和が そう訊くと、
貴史は当たり前のように
「んー、家は違うよ」
と、答えた。
貴史が そう否定した事で、
和の期待は ますます膨らんだのだが、
次に貴史は、先程 女の子達に言ったような、
何でもないような口調で、こう言った。
「さっき知り合いが入院してる って言ったじゃん?
実は あれ、マジでさ 笑
病院が こっちの方向なの」
「……そ、そうなんだ…」
どこかで、″やっぱり″と思っている自分が居る事に、和は気付いた。
貴史は いつも優しかったし、必要な時に必要な言葉を掛けてくれたが、
そればかり では なかったから、
和は貴史の側に居たい、と思ったのかも…しれない。
思えば和は今まで、貴史には上げられたり下げられたりの繰り返しで、
その方が、貴史らしい気が した。

