二人が教室に戻って行った時、

予想 通り…では あったが、

主に和の方に、女の子達の視線が突き刺さっているように、思えた。


貴史は そんな様子に気付いたのか何なのか、

さりげない調子で、自分を取り囲んでいる女の子達に


「共通の知り合いが入院しててさ、

これから一緒に お見舞い行こうって話に なったんだー」


と、言った。


そして、


「…ね?」


と、楽しそうに笑って和を見るから、

またしても女の子達の視線が和に ちくちく と 突き刺さったが、

彼が あまりにも何でもない事のように言うので、

その視線も先程よりは、いくらか和らいだような気が、した。






「う、うん…」




だから、和が嘘がバレないように、と どぎまぎ しながら答えても、

″二人の共通の知り合い″というクッション材が出てきた事も良かったらしく、

女の子達は それ以上 追求して来なかった。


ただ、貴史に「そうなんだ~」とか「お知り合いに よろしく」とか口々に伝えると、

和にも、怪しまれないように「気を付けてね~」などと お情け程度の笑顔を向けて、

二人を送り出してくれた。


きっと貴史が居るから この程度で済んだのだろう という気は したが、

何は ともあれ、

無事に教室を抜け出す事が出来て、和は ほっ とした。