和も そう考えるのが自然だと思ったが、
凛からは そんな強かさは、感じられなかった。
何よりも、悲しそうな凛の表情からは、
和を思いやる気持ちが感じられて、和は ただ頷く事しか、できなかった。
「…やっぱり、そう だったんだ」
そんな和の反応を、凛は肯定と取ったらしく、
どこか遠くを見つめながら、曖昧に笑った。
「…そうじゃないかな、とは思ってたんだ。
…そうじゃなきゃ、蓮 先輩は あんな事、言わないと思った…」
凛は、何だか泣きそう だった。
…その時、
和は急に、凛の泣き出しそうな気持ちが、分かった。
凛が、ずっと
″ムニーさん″を″蓮 先輩″と呼んでいた理由が、分かった。
「…ねぇ凛ちゃん、
もしかして、ムニー先輩の事…」
和の問いに、凛は悲しそうに笑って、言った。
「よく あるパターンだけど…、
恋愛相談 受けてるうちに、いつの間にか、ね…。
…好きに なってた」

