「……うん、驚いた」
私の答えに、君は微かに笑った。
「……戻って来たんだ、″此処″に」
その時 私には何となく、
君の考えている事が分かる気が、した。
それは私の想像に過ぎなかった けれど、
きっと君は1人が怖かったんだろうな って、思った。
最初は1人になろう として皆の前から消えたけれど、
″其処″に居場所は なかったんだろうな って、
だから戻って来たんだろうな って、…思った。
私と君は……
どこか、似ていた。
″あの人″に惹かれたのが、私に持っていないものを持っていたからだ と したら、
君は きっと……その反対だった。
…だから きっと ずっと、悲しかったんだ。
―私も、上辺しか見て貰えないんじゃないか って……。

