あなたの気持ちも、分かる。


分かるよ…?




でも、私は…?


私の気持ちは……?






「……ただ…、一緒に、





一緒に…居たい。





何も しなくて いいからっ…。





っ…居るだけで いい、









……行かないで……。





お願い…っ…」




泣きじゃくる私に、

あなたは困ったように眉毛を下げた。






「…ごめん」




もう1度 辛そうに そう謝って…、

あなたの動きが…止まった。




元々 作り物のような あなたが目を閉じていても、

本当の人形のようで違和感は なかった けれど、

少しずつ奪われ始めた体温が、

あなたが本物の人形でない事を、示していた。






「……宗谷くん…?」




あまりにも綺麗 過ぎる その顔に、声を掛けた。




形の良い唇は少し口角が上がっていて、

薄く笑っているよう にさえ、見える。






「……嘘、……




……宗谷くんっ!?




宗谷くん…っ……!」




自分の体の何処に こんなに溜まっていたのだろう と 思うくらい、

涙が 次から次へと溢れては、ぼたぼた と 零れ落ちる。




あなたの身体を抱き締めたまま…

私は子供みたいに ただ ただ、泣きじゃくった――。