花

「…ごめん」




あなたの冷たい手が伸びて来て、

知らない間に流れていた私の涙の跡を、なぞった。






「……何で…？


どうして……」




″どうして、1人で行こう と するの？″




そう訊きたかったのに、上手く言葉に ならない。




その間にも あなたの胸も、私の手も、赤く染まっていって、

それとは反対に、

あなたの顔は、どんどん血の気を失って、白く なっていった。