【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ壱






 なんで、龍太さんや瑛太さんに話さないのかな。




「龍太さんたちとは、話したんですか?」



「話すわけないだろ。同じ組で、兄弟でも、俺と二人じゃ立場が違いすぎるからな」





 あ、そっか。




 奏太さんは若頭で総長っていうお偉いさんだけど、龍太さんや瑛太さんはそうでもないもんね。





「まあ、明日にでも、親父には話すつもりだ」





 奏太さんが言った。彼が、投げたヘルメットをかぶる。