【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ壱





「ん…銭湯」



 奏太さんが、窓の外を見ながら。



 私は、彼の正面の座席に座った。車の中の後部座席は、四人掛けのシートが向かい合ってる。



「銭湯!?いっつも銭湯行ってるの?」



「いや、今日は遅いからな」




 遅い…ですか?



 まだ、五時半ですけど。



「今日は倉庫に寄るからな」



 倉庫…!?



「お前も連れてってやるよ」