花蓮が弱い人間を演じるのには理由がある。それは、生い立ちとも関わってくる。




「あ、やっと来た」




 殴る力が男並みの白石萌。





「逃げたのかと思った」



 萌は意地悪く笑った。



 逃げるわけないじゃん。



 花蓮は心の中で呟く。逃げたって、無駄だと教えたのはアンタなんだから。




 萌の後ろには、あくどい暴走族の乱舞組がいる。



 だから、仮に萌から逃げれても、乱舞からは逃げられない。