魔法使いの運命



「うん、悪くない。
なりたい…なりたいよっ
私、魔法使いになりたい!」

「いい返事ぢゃ…」

「わくわくが
とまらないよ!」

「ふぉっほっほ
そぉかそぉか。
お前の家の部屋に
手紙を送っておく。
必ず見るように」

「うん!分かった!」

魔法!やったよ!
やったぁ!

「魔法使いの証じゃ」

おばさんは、
昨日私が身につけた
緑のリボンを
差し出した。

「ありがとう」

「さぁ。早く家に
帰ったほうが
いいのではないかろか」

「そうだね、ありがとう
おばあさん!」

「これでお前は魔法使い。
死ぬまで、死ぬまで…な」

「嬉しい、じゃあね
おばあさん!」

別れ際のおばあさんは
微笑していた。



この頃の私は
おばあさんの企みを
知らなかった。

そして、この後私は
この世の裏側を
知ることになる。